地球温暖化の基礎知識

世界の温室効果ガス排出の現状と削減目標

(2021年7月現在)

温室効果(温暖化)のメカニズム

太陽からの光で温められた地表からの放射熱を温室効果ガスが吸収して大気を暖めています。(現在、地球の平均気温は14℃ですが、もし大気中に温室効果ガスがなければマイナス19℃くらいだろうとの予測があります。)産業革命以降の生産活動で放出される温室効果ガスの増加が地球温暖化の原因になっているのです。

日本の温室効果ガス排出実績と政府目標

2015年の第21回締約国会議(COP21)で、各国が2020年以降の自発的な削減目標を定めることを約束する「パリ協定」が採択され、世界共通の長期目標として、世界の平均気温上昇を産業革命前と比べて2℃未満に抑える目標を掲げました。2020年10月26日、国会において菅首相は「2050年カーボンニュートラル・脱炭素社会を目指す」ことを宣言し、2021年4月に開催された気候変動サミットで、2030年度の温室効果ガス排出量削減目標について、2013年度比46%削減することとしました。さらに、50%の高みに向けて挑戦を続けていくこととしています。

21世紀末の地球は?(将来予測)

IPCC第5次評価報告書では、20世紀末頃(1986~2005年)と比べて、有効な温暖化対策をとらなかった場合、21世紀末(2081~2100年)の世界の平均気温は、2.6~4.8℃上昇(グレーの帯)、厳しい温暖化対策をとった場合でも0.3~1.7℃上昇(青色の帯)する可能性が高くなります。

発電時にCO2を排出しない再生可能エネルギーと原子力発電

再生可能エネルギーと原子力は、発電時にCO2を排出せず、地球温暖化防止の観点で優れた電源です。原子力発電は少ない燃料で多くの量を発電できますが、放射性物質をしっかり管理する必要があります。一方、太陽光や風力などの再生可能エネルギーは季節や天候により発電量が変動するので、大量導入には出力調整可能な火力などのバックアップ電源が必要です。